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【薬膳の効能】れんこん(蓮根)の効能 レンコンは調理法で効能が変わる

中医学の定義においてれんこんは、調理法で性質が変化する珍しい食材です。生食では寒性となり、体や血の熱を冷まして止血し、滞った血を流す効能を持ちます。

一方で加熱すると温性に変わり、消化吸収を司る胃腸の働きを高め、不足した血を補う作用を発揮します。体質や症状に合わせて生か加熱かを選ぶことが養生のポイントです。

れんこん

中薬学的データ 🍵 医食同源

性味:甘・(生)/ 甘・(加熱) / 帰経:心・肝・脾・胃

れんこんの薬膳的効能と特徴

  • 清熱散瘀せいねつさんお(生食):血の熱を冷まし、滞りを流す
    生で食べると寒性となり、体内の余分な熱や血の熱を取り去ります。鼻血などの止血作用があるほか、血の流れが滞った瘀血(おけつ) を解消するのにも役立ちます。
  • 健脾開胃けんぴかいい(加熱):胃腸を整え、血を補う
    じっくり加熱すると温性に変化します。消化吸収を担う脾(ひ)や胃の機能 を高め、不足した血をチャージする働きに変わるため、疲れやすい血虚(けっきょ)タイプ の方におすすめです。
💡 知っておきたいポイント:蓮は捨てるところがない?
れんこんは部位ごとに全く異なる薬効を持ち、それぞれが生薬として重宝されています。

藕節(ぐせつ):根茎の節。止血に優れる。

荷葉(かよう):蓮の葉。夏の暑気あたりに。

蓮子(れんし):蓮の実。下痢止めや精神安定に。

蓮心(れんしん):実の芯。のぼせやイライラに。

おせち料理で「将来の見通しが良い」と縁起を担ぐれんこんですが、冬は加熱して胃腸を労わりながらいただくのが薬膳的な正解です。他のおせち食材の知恵は【おせち特集ページ】をご覧ください。
性質
生:寒性 / 加熱:温性
適応
止血・胃腸虚弱・血行不良
縁起
先が見通せる

講師のひとりごと

お料理によって生でも加熱しても美味しいれんこんですが、薬膳を学ぶとその「性質の変化」に驚かされます。私は、のぼせや血行不良を感じる時はシャキシャキのサラダで、お腹が冷えて疲れが溜まっている時はホクホクの煮物やれんこん餅にして楽しんでいます。部位によって薬としての名前が変わるのも蓮の神秘的なところ。おせちのれんこんを一口噛み締めながら、そんな蓮の生命力に想いを馳せてみるのも楽しいですね。

参考文献:『中医葯膳学』(中国中医葯出版社)、『中薬大辞典』、『中薬大辞典』(上海科学技朮出版社)、『食材効能大事典』(東洋学術出版社)、その他古典文献

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