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【薬膳の効能】小麦・小麦粉の違い|イライラ・不安・不眠に。「心を鎮める穀物」

薬膳では、小麦は微寒(小麦粉は温)の性質を持ち、「心」の熱を鎮めて精神を安定させ、不足した「腎」を補う食材です。

特に精神的な疲れやイライラ、不眠、喉の渇きを感じる時に適しています。全粒粉などの未精製のものほど、その滋養力は高まります。

小麦の薬膳的効能

薬膳における小麦の基本データ

微寒(小麦粉:
味:甘
帰経:心・脾・腎
主な効能:養心安神・補腎・止渇

💡 薬膳の視点:精製の有無によって四性が変わる
小麦粉と小麦の違いは「四性」です。
薬膳には四性(熱・温・涼・寒)という分類があり、温めるか冷やすかを表しますが、このモノサシでは、小麦と小麦全粒粉は微寒で体の熱をとり、精製された小麦粉は温性で体を温めます。※ただし今後の研究によって変わる可能性も。

小麦の薬膳効能解説

  • 養心安神ようしんあんじん : 心を養い、精神を安定させる
    の働きを整え、精神的な動揺やイライラ、不眠、多夢などを改善します。
  • 補腎ほじん : 腎を補い、土台を強くする
    生命力の源であるを補い、体の根本的な力を養います。
  • 止渇しかつ : 渇きを止める
    喉や口の渇きを癒やします。

💡 薬膳の知恵:小麦は「しょうばく」という安神薬
中医学では、小麦は「しょうばく」という安神薬で漢方薬に配合されます。例えば、甘麦大棗湯という漢方薬には小麦が配合されており、虚弱体質の人の心身の興奮状態をしずめる作用があります。

適応
陰虚、精神不安、不眠、喉の渇き、寝汗
薬膳例
小麦入りコーンスープ・全粒粉パン
注意点
湿熱タイプや食積がある人は避けること

講師のキッチンから

小麦粉と小麦の共通の効能は「養心」という薬効です。養心とは文字通り心の機能を養うことですが、特に心血・心陰が不足した状況に適しています。例えば、思い煩い、ストレスなどで心血や心陰は消耗します。すると胸の熱感、イライラ落ち着かない、不安感が強い、不眠などの症状が出現します。薬膳ではこのような時に小麦を使い、心を養って精神を安定させます。

執筆者:Emiko Ohneda(胡桃の庭 講師)

 

小麦の薬膳・よくある質問

Q1. 小麦粉(パンやうどん)と小麦は同じ効能ですか?
A. 同じではありません。小麦そのものは微寒性でを養い精神を落ち着かせる作用がありますが、小麦粉(精製後)は温性に変わります。イライラや不安感を鎮めたい場合は、精製していない「全粒小麦」の方が本来の薬効を活かせます。

Q2. 小麦が精神不安に効くとのことですが、具体的にはどんな症状に向きますか?
A. 中医学では小麦は「養心安神」の食材で、思い悩みやストレスで血や心陰が消耗した時に適します。具体的には、胸のザワザワした感じ、理由のない不安感、落ち着かない、不眠といった症状です。漢方薬の「甘麦大棗湯」にも小麦が配合されています。

Q3. グルテンが気になりますが、薬膳としてはどう考えますか?
A. グルテンの問題は現代栄養学の視点であり、薬膳(中医学)の枠組みとは別の概念です。薬膳的には小麦は心を養う重要な食材ですが、湿熱タイプの方や食積がある方は避けた方がよいとされています。ご自身の体質に合うかどうかでご判断ください。

参考文献:『中医葯膳学』(中国中医葯出版社)、『中薬大辞典』、『中医飲食営養学』(上海科学技朮出版社)、『食材効能大事典』(東洋学術出版社)、その他古典文献

※ 本ページは中医薬膳の伝統知識にもとづく教育コラムです。中医学独自の概念・用語にもとづく表現を含みます。特定の効果を保証するものではなく、医療・診断・治療の代替を意図するものではありません。体調や服薬の個別判断は、医師・薬剤師等の専門家にご相談ください。

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