【薬膳の効能】梅の効能 梅と梅干しの違いとは?
胡桃の庭より
梅の主な効能
平性
1. 津液を生みだし体を潤す
2. 下痢を止める
渇きや乾燥を改善
梅は「生津」作用があり、津液(血液以外の体液)を生み出す作用があります。
夏場に汗を沢山かく時期や秋の乾燥の季節にもおすすめです。専門的には陰虚タイプに合います。
台湾や中国では夏バテ予防に「酸梅湯」がよく飲まれます。
酸梅湯とは未成熟の梅の実を燻蒸したもの(←真っ黒!)と山査子と陳皮を合わせた甘酸っぱい飲み物です。体に潤いを与えて渇きを止める作用があります。
一方、日本では「梅シロップ」「梅ジュース」が一般的でしょうか。我が家も梅の季節になると毎年仕込みます。
梅は下痢や咳を止める
梅は「収渋」作用もあります。
収渋とは出すぎるもの、漏れ出るものを止める働きを指し、下痢を止める、咳を止める、口の渇きを止めるなどの効果です。
梅干しの主な効能
平性
1. 解毒する
2. 痰を取り去る (梅核気の改善など)
3. 下痢を止める
梅干しは梅の実の効能とは少し異なります。
毒素を排泄し、化痰(痰をとる)作用があります。基本的に不要なものを排泄する方向です。
塩が加わることで上記の薬効に変化する、と私は思います。
日本では「梅はその日の難逃れ」という諺もあり、昔から解毒作用のようなものが認められていたのではないでしょうか。また現代では梅干しにはウイルスや細菌の増殖を抑制するという研究もあるようです。