更年期に多い「陰虚証」乾燥とほてりが同時に現れる!
陰虚証
「陰虚証」とは津液が不足した体質を指します。すごく簡単に言えば、慢性的な水分不足に陥った体質です。
ちなみに津液とは、細胞内の水、細胞間の水、リンパ液、血清、唾液、関節液、髄液、胃液や胆汁などの内臓の液体、汗、唾液、粘膜液、涙など体に必要な体液全部を指します。
陰虚の症状
陰虚証の典型的な症状をいくつか挙げてみましょう。
・顔、唇、目、口、肌などが乾燥する
・顔や体がほてる、寝汗をかく
・手のひら、足の裏が熱い
・便秘、コロコロ便
何らかの原因で体の津液が慢性的に不足すると、乾燥やほてりを伴う様々な症状があらわれます。
陰虚のほてりの原因
このタイプは、多くの方が「ほてり」を訴えます。原因は津液が不足していることにあります。
中医学には「陰陽論」という学説があり、私たちの体の「寒熱」と「陰陽バランス」によって保たれています。
しかし陰虚の場合は、陰陽バランスが崩れて「陰が少なく、相対的に陽が多い状態」になってしまっているのです。
相対的に”陽が多い”ため、結果的にほてりを感じます。(講座で詳しく解説します)

陰虚を改善する食べ物
薬膳で陰虚証を改善するためには、主に「補陰・滋陰」「生津」という効能を持つ食べ物を使います。
例えば山芋、クコの実、黒豆、白木耳、トマト、きゅうり、冬瓜などです。
食事にこういったものを多く取り入れましょう。というのが、一般的な薬膳のセオリーです。
吸収できなければ意味がない
あなたはそれを消化吸収できるか?
ところが実際には「補陰や滋陰の食材をいろいろ食べても改善しない…」
「果物が良いと聞いて沢山食べたけど、ほてりはとれない。」
「体の水分を増やすためにミネラルウォーターを沢山飲んでも治らない。むしろ胃がチャボチャボしてきて、不快!」という方もいらっしゃいます。
実際、そうだと思います。
なぜなら、人によって水や食べ物の処理能力は違うからです。想像以上に個人差が大きいわけです。
水や食べ物の処理は、その人の「五臓の働き」が大きく関わっています。
例えば、脾が弱くなっている方は、飲んだ水や食べ物が十分に消化吸収されません。
こういう方が「補陰・滋陰」「生津」の食材を沢山食べても十分に消化吸収されず、むしろカラダの負担になる場合もあります。
この場合は調理法を工夫する必要がありますし、やはり五臓も含めてフォローしていく必要があります。

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