新型コロナ対策 vol.1 まずは「補気」で予防する
中医薬膳の視点で考える
新型コロナウイルスは人類にとって未知のものですが、中医学は昔から感染症と戦ってきた歴史があります。
ご参考までに、中医の視点で個人的に考えたことをお伝えいたします。
※基本的に当教室の受講生さまに向けて書いております。(一般の方にはなじみのない用語も含まれると思いますがご了承ください)
「基礎疾患なし」でも…
基礎疾患がない方が重症化(または死亡)したというニュースが流れるたび、世の中がざわついています。
慢性呼吸器疾患、慢性心疾患、慢性腎疾患(基礎疾患は9つに分類されている)などがない人は「基礎疾患なし」ということになりますが、
基礎疾患がない方であっても、中医的に見れば治療対象(〇〇証)となるケースはあります。
新型コロナの初期症状のひとつに「倦怠感」があります。
尋常ではない”だるさ”だそうですが、
日ごろから気虚証、衛気虚がある場合は、当然感染しやすいと思われます。
外から邪気が入って来ようとする→気が不足しているせいでブロックできない、持ちこたえられない→邪気が肺に侵入→新型コロナは肺の下の方に行くクセがあり、その人の体内で一定の条件が揃った場合、速いスピードで強い炎症反応を起こし重症化につながる
というロジックが考えられます。
基礎疾患の有無や年齢に関わらず、寒熱バランスが崩れていたり、気血津液のバランスが崩れているほど発症しやすく、
五臓の働きが弱っている場合(今回は特に心肺肝)も発症しやすいといえます。
総合的に補気を心がける
まず一番の問題は「気虚」の存在であると私は思います。
ですから予防としては、なるべく食事で補気を心がけてください。中薬なら黄耆、人参、山薬、なつめが補気薬にあたります。
そしてしっかり睡眠をとって下さいね。眠っている間に気血津液が生成されることを考えれば、食事と睡眠は同じくらい大切だと思います。
そしてもうひとつは、精神的に消耗しないこと。文字通り、気をすり減らすと気虚を悪化させるので、メンタルをコントロールしていくことも大事だと思います。
親愛なる皆さま、ご家族様、どうぞご自愛くださいませ。私も気をつけます。
次回に続きます。