【NHK薬膳ドラマ考察】「大根で頭痛が治る」は本当?——ドラマの感動と、中医学の現実のあいだ
NHKドラマ『しあわせは食べて寝て待て』を見て、さっそく大根を食べてみました。頭痛がスッキリ治るかと思って食べたのですが……何も変わりませんでした。私の体には薬膳が効かないのでしょうか?それとも、作り方が悪かったのでしょうか?
大人気の素敵なドラマですよね~
ご質問ですが、いいえ、作り方やお料理の出来栄えの問題ではありません。大根を正しくお料理(スライス)して召し上がりました。ただ一つ誤算があったとすれば——あなたが食べたのは「大根」ではなく、「ドラマの感動」だったかもしれない、ということです。
このドラマには薬膳考証の専門家が関わっています。描かれた食材の効能は中医学的に根拠があります。ただし、ドラマというメディアの性質上、やはり演出上の省略があります。
ドラマの場面は、気が巡った瞬間の解放感を、映像として美しく表現したカタルシス。(←これぞ醍醐味!)視聴者の胸に届けるための映像表現、エンターテインメントの文法とも言えるでしょう。
さて、ここからは中医薬膳の専門的な観点でお話しします。頭痛にはいくつもの原因があります。例えば、
- 気や熱が体の上部に突き上げることが原因の頭痛
- 気血の滞りが原因の頭痛
- 胃腸や体に過剰な湿や水分、老廃物が溜まっていることが原因の頭痛
- エネルギー不足が原因の頭痛
- 血や津液の不足が原因の頭痛
- 加齢が原因の頭痛
- 風邪のひきはじめの頭痛など
一言で「頭痛」と言っても、状況や原因は人によって違います。
あなたの頭痛が「食べ過ぎ」や「気(熱)の上昇」から来ていれば、ドラマのような展開が起こるかもしれません。(ただし食べた直後にスッキリ!などの即効性は演出の範囲内)
でも、「エネルギー不足」や「栄養不足」が原因の頭痛だったら、大根を食べても解決しないわけですね。
「何を食べるか」の前に、「自分のカラダは今どうなっているの?」を知ることが最も重要で、実はこの点が薬膳のカギなんです。
ドラマが見せてくれたのは、薬膳という森の「入口」の景色。素敵なお話でした。
さらに森の中へ進めば、新たな景色が見えてきます。そこにはあなた自身の身体を見つめ、不調の根本原因にアプローチする「中医薬膳」の世界が広がっています。



