「気虚・陽虚」疲れやすく、冷えやすい体質を薬膳で改善
気虚証・陽虚証
「気虚」とは気が不足している状態を指しますが、気虚を理解するためには、まず「気」の概念を知る必要があります。
気には大きく2つの意味がある
中医学の気については「エネルギー」「パワー」など様々な言われ方をしますが、厳密には2つの意味があります。
① 物質的な意味合い
水穀の精微の気、自然界の清気、宗気、営気、衛気、元気など。
② 生理機能・処理能力を指す
肝気、脾気、心気、胃気、腎気など。
上記2つははっきり区別されないまま、”なんとなく”言葉として使われていることが多いのですが、「気」という言葉がどの場面で使われるかによって、意味合いは変わってきます。
本当に薬膳を理解するためには、こういったことをきちんと理解することが大切です。
気虚証の症状
気虚は気が不足するため、特有の症状があらわれます。
・疲れやすい、だるい
・顔色がくすむ
・風邪をひきやすい
・少し動いただけで汗が出る
これらは、何らかの原因で気の量が少ないことを示しており、他にも様々な症状が出現します。
「陽虚証」は上記の症状のほか、冷えが顕著でむくみやすいのが特徴です。
気虚を改善する食べ物
気虚証を改善するためには、補気や益気の食べ物を使います。陽虚はさらに補陽も必要です。
例えば補気の食べ物は米類、豆類、芋類、鶏肉、なつめ、鮭、椎茸など。補陽の食べ物は海老、くるみ、ニラ、シナモンなどです。(これについては講座で解説します)
食事にこういったものを多く取り入れましょう。というのが、一般的な薬膳のセオリーです。
ただしそんなに単純な話ではない
あなたの空腹の時間はどのくらい?
ところが、実際には「補気の食材をいろいろ食べているのに、あまり改善しない」という方もいらっしゃいます。
この場合は「食生活」全体をチェックしてみてください。
例えば食事と食事の間に間食が多い場合、気虚はなかなか改善しないかもしれません。
なぜなら間食が多いと、常に胃腸が仕事をしなければならないため胃腸はパワー不足になりやすいのです。
気は食べ物を消化しなければ生成されないため、胃腸の力が弱いと気をつくることができず、気虚の改善は難しくなります。
その他にも気虚の改善を邪魔する要素はあります。これについては講座で詳しくお話します。

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